カリンとマルメロの食品利用

カリンやマルメロは基本的に加工されることが前提の果実である。その使用方法は極めて似ており,それがまた,カリンとマルメロが区別されにくい理由なのであろう。しかし,実際は食品成分や物理的特性にやや違いがあり,例えばカリンの果肉はマルメロに比べて軟らかくなりにくい。ビタミンCやポリフェノール,セルロースやリグニンなど成分量も異なる。従って,同じ使い方をするよりは,むしろ違いをいかして特徴に応じた活用をすべきであろう。

 

カリン・マルメロ加工品のいろいろ

加工利用の概観

  カリン マルメロ
一般的な加工

ジャム,ゼリー,水飴,砂糖漬け,果実酒

輪切りにして,砂糖と共に煎じて,咳止め・利尿の薬とする

ジャム,マーマレード,ゼリー,砂糖煮,砂糖漬け,果実酒

江戸時代の菓子(兼薬用?)

カセイタ,瓜梨膏(かりこう)

加世伊太(カセイタ)

海外 メンブリージョ(ブラジルのみ?) メンブリージョ(スペイン),コティニャック・ドルレアン(フランス),ジャム,ゼリー
製造業 エキス,果実酒,のど飴,水飴,菓子類(?) エキス,果実酒,のど飴,菓子類,果肉シラップ漬け
その他   仁(タネ)は香料となる